なぜ掃除をしようと思ったか?
そう、以下の本を読んだからである。
購読しているはてなブロガーさんが記事の中で紹介していたのに興味を持って読んだ。
狂いをテーマに、精神科医の春日武彦氏と作家の平山夢明氏が語る対談シリーズの三冊目である。ちなみにわたしはこの本をキッカケにハマってしまい、このシリーズを全て買い集め夢中になって読んでしまった……。
どのシリーズにも何度も出てくる小話があるが、その中でも印象深いのが平山夢明氏の掃除の話である。
というのも、平山氏が原稿が一向に進まず、新刊が出せずに困り果てていたときに精神科医の春日先生に相談しにいったところ、「部屋を綺麗にしろ、掃除しろ。」とアドバイスが。
平山氏はその時点で半信半疑であったらしいが、とにかく部屋を掃除しゴミを捨てたらその年は途端に筆が乗り著作が6冊も刊行できた、という話である。
春日先生曰く、原稿を書くとかものをつくるとかそういった類のクリエイティブな作業をする際は、作業する環境を「巣」にしてはいけないということ。
「巣」とはすなわち、自分のニオイがべたべたにくっついた空間。
置きっぱなしの参考文献として積み上げた本とかー、中途半端に飲み物が入ったままのマグカップとかー、見栄えを気にしてそのまま放置のほこりがかぶっているポストカードとか、そういうのは作業環境を「巣」にしてしまうのだろう。
うーん、わかる。わかるゾ。
私自身も体調の関係で一日三十分弱しか机に向かっていられないときは、いかにその三十分を有意義に使うか頭を絞って考えたものだった。
そして結果として、「めちゃくちゃ集中するために、ノイズを減らす」が最適なのではと思い、作業する前は念入りに机を掃除していた時期がある。
その時は必死だったけれど、これって案外理にかなっていたのかもしれないとふと思い出した。
私が今まで見てきた人たちの中で、優秀なひとたちはみな作業環境が綺麗で整っている、というのも当時の私を整理整頓へと突き動かしたひとつの要因であります。上部だけでも真似すれば、いずれは本質になるのではないかと思ったんですね。あはは。
中には机にものが乱雑においてあったとしても環境に左右されず優秀な方もいるのだろうけど、わたしは作業に関係ないものが入ると気が散ってしまうタイプだったので部屋をまめに掃除するのを当時の習慣にしていたのは自分にあっていたのだと思う。
春日先生が、「引きこもりの人の部屋は、けものの「巣」みたいになっている。」「彼らは枕カバーなんて何年も洗っていない。」と発言していたのを読んで、急いで自分のベッドシーツと枕カバーを洗濯機に放り込みました。すぐやる。すぐやるぞ。
引きこもりの人たちは、引きこもることで「時」を止めているという記述が本書の中であったけれど、物を溜め込んでそのまま整理しないことによって、時間の更新を拒んでいるともいえるよね。大事にしてしまっておく、ではないことがポイント。そのまま積み重ねていくことで自分の中の時間を止めていく。わたしもそういう傾向があるので、自戒としながら読みましたね。使わないもの、いらないものは、どんどん捨てて断捨離ですよ、ええ。
ということで、常に新しい風を自分に送り込むために部屋を掃除して頭の中をリフレッシュしたく、今日の午前中は断捨離に励んでおりました。
落ち込んだ時や「調子がいまいちだな」というときには積極的に掃除・断捨離・整理を行なっていきたい所存。